久保寛子さんの作品「BLUE DOG (guardian)」は、広島県 竹原アートプロジェクト2022 での屋外展示にて公開されました。
農耕や土地に根差したものなど、人々の暮らしと芸術の融合を表現されている久保さん。
このBLU DOGでも、竹原市の風土や文化を体現されています。
竹原市ならびに瀬戸内海地域の人々は、古来から広大な海に生活を支えられてきました。本作品の巨体一面に広がる青は、その風景をモチーフとしています。
竹原市はかつて製塩業で栄え、現在は酒造が主な産業として知られています。まさに水と共に生きている町です。
町の風景の中に鎮座する大きな犬の体には、海と共に生きてきたであろう島々も描かれていました。
また、本作品の座り方は神社仏閣に置かれる狛犬・エジプトのスフィンクスをモチーフとしているそうです。
竹原市内には江戸時代に製作された狛犬が13も置かれており、またその起源はエジプトやメソポタミアなどを源流としたスフィンクスであるとのこと。
荘厳で頼りがいのある座り姿は、どこか愛らしくも見えます。
安芸の小京都とも呼ばれる竹原市、その酔景の小庭にて展示されたBLUE DOG。
現在は竹原アートプロジェクトでの展示期間は終了し、広島県江田島市uminosの入り口にその姿を見ることができます。
海を眺めるように鎮座するBLUE DOGに ぜひ会いに行っていただきたいです。
Photo : Hiroko Kubo