愛知県立旭丘高校 美術科 彫刻専攻ワークショップ

 愛知県立旭丘高等学校 美術科 彫刻専攻さまで石膏型へのジェスモナイト貼り込み実習を行いました。

事前に原型・石膏型まで作成してもらい、ジェスモナイト貼り込み作業を一緒にしていきます。卒業制作のマケットとのことで生徒も私たちも気合が入ります!
こちらが粘土原型。画像は制作途中のものも含まれています。

ワークショップでは、まず最初にジェスモナイトの基本を理解するために簡単な注型を体験します。

続いて石膏型へジェスモナイト貼り込みの作業を一度講師が実演して、手順を見てもらいます。

実習前に事前にやってもらったこと

  • 粘土原型の制作
  • 石膏型の作成
  • 石膏型に離型剤を塗布(液体離型剤DWCを使用)

ジェスモナイト貼り込み

いよいよ各自の作品に取り掛かります。卒業制作なだけあり気合の入った作品たちです。個性豊かな石膏型にジェスモナイトとガラス繊維を貼り込んでいきます。

原形の形が様々なので、半面型のシンプルな貼り込みもあれば、四つ足の動物など窓の多い複雑な型もありました。また細長い部分などはパーツを分割して、別々に型を作成しています。ガラス繊維は基本的に2枚貼りで、強度が不安な部分は多めに繊維を貼り込みます。また、指などの細長いパーツはガラス繊維だけではなく、ガラスチョップを混ぜたジェスモナイトを詰めて強度を上げます。

ジェスモナイト貼り込み2

今回の実習時間中は窓を閉じるところまで到達しなかったのですが、その後の作業の流れは以下の感じです。
– 窓の際部分にはみ出したジェスモナイト&繊維はきれいにカットしておく。
– 窓の両方の合わせ目にジェスモナイトとチョップを混ぜたものを盛って、固まる前に型を合わせる。

割り出し実演

石膏型に張り込みをしたジェスモナイトは、十分に強度を上げてからの方が安全なため、半日程度置いてから割り出し作業をすることをお勧めしています。
今回の実習では、事前に用意しておいた石膏型からの割り出しを見てもらい、各自の割り出し作業に備えます。
初めての割り出しは薄くて怖いですが、ジェスモナイトは意外と丈夫で多少叩いても壊れないことを体験してもらい、割り出し作業に少し安心感が出たようです。

石膏型からの割り出し直後

各生徒さんの割り出し作業した後の様子。離形剤はよく効いているようです。
作業中にジェスモナイトが不足して窓の合わせに十分材料を詰めることができなかった部分があり合わせ目に隙間が空いていますが、これらは後からジェスモナイトを使ってパテのように補修することが可能です。

狸の耳が片方かけてしまい、こちらも補修が必要そうです。

完成作品

最終的に完成したものがこちら。

卒業制作のマケットとのことでみなさん最後まで真剣に取り組まれていました。私たちが関わったのはほんの一部ですが、ここに至るまでにきっと様々な努力や苦労をされてきたと思います。実際の卒業制作ではジェスモナイトに限定せず、木彫・石彫など含めて各自が材料を選択して制作するそうです。それぞれの道へ進む中でこの経験が生かされることがあれば、私たちも幸せです。

愛知県立旭丘高等学校さま
彫刻担当: 彫刻家 柄澤 健介さま -Kensuke Karasawa-

ご参加ありがとうございました!
2023年5月16日

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