質感のデザイン ワークショップ Vol.2 :京都

2017年8月27日(日)、デジタルやアナログの垣根を越えて、ものづくり/素材に興味のある方々が集うカフェ MTRL KYOTO さんと共催にて、ジェスモナイトを使用した第2回目となる一般向けワークショップを行いました。

当日の流れ

– 13:30 開場・受付
– 14:00 座学:本日の工程とジェスモナイトについて解説(30分)
– 15:10 アルギン酸塩 型制作(50分)
– 16:20 ジェスモナイト 樹脂注型(60分)
– 16:30 終了

今回のワークショップでは「コースターを作る」というフォーマットに沿い、テクスチャを型取りして複製する実験制作を行いました。テクスチャを用意し/探し、その表面を写し取ったものを型にして、ジェスモナイト注型で完成物を仕上げるところまでを2時間半の短時間に凝縮して行いました。かなり順調に作業は進み、予定よりも多くの制作を行っていただくことができました。
さて、では今回のワークショップの様子をステップごとに振り返ってレポートします。

1.座学

今回の使用素材と作業工程についての説明。
アルギン酸塩やジェスモナイトは、液の粘度や作業性、硬化までの時間など実際に見て頂くことが最も分かり易いため、実演を交えて説明を行いました。

ワークショップに使用したスライド(一部内容を変更しています)

ジェスモナイトワークショップ 質感のデザイン Vol.2

2.アルギン酸塩 型制作

まずは、型を作る工程です。
樹脂注型で制作を行う際、どうやって型を作るかが最初の問題になります。
今回はアルギン酸塩(アルジネートという商品名も一般的です)とプラ板、粘土等を使用して、短時間で型を作ります。

テクスチャ取りについては、MTRL KYOTO様と私たちとで面白そうな表面を持つ素材を用意していきました。しかし参加者の皆さんが持参してくださった素材も多く、今回さまざまなバリエーションの面白いテクスチャが見られました。

アルギン酸塩を使った型取りは安全性の面で扱いやすく、テクスチャの細かい部分までファインに取ることができます。今回は水を少な目に配合しましたが、それでも水を多く含み柔らかいため、素材によっては型取りが難しい部分もありました。

3.ジェスモナイト樹脂注型

次はジェスモナイトによる成型工程です。
ジェスモナイトAC100のリキッドとベースを規定量の通りに計量し、混合して注型します。
今回カラーに関しては、サーフェイス形状のみにフォーカスするため、無着色、もしくは、鈍いイエローの2種と限定しました。

様々な物質のサーフェスがジェスモナイトに置き換えられると、予想外に面白い結果が出たもの、見た目と触った時のギャップが凄いもの、また逆に表面の形状だけになると全くつまらなくなってしまうもの、など様々な結果が得られました。

その後、好きなピグメント(着色剤)や石などのフィラー類の添加など自由に試してもらいました。ここまで決まった工程で作業をしてきましたが、基本を理解した上でバリエーションに一歩踏み出す形になり、とても良いバランスで進んだと思います。

今回のワークショップ参加者はものづくりに関わる職業の方が多く、漆作家、現代アート作家、3Dデジタルクリエイター、医療機器や建材プロダクトデザイナー、木工家具職人、レザークラフト作家、美大教員や研究職、企画関係、そして美大の学生さんと、知り得た範囲だけでも本当に幅広いジャンルの方々が参加してくださいました。また、今までに樹脂注型の作業経験がある方が半数程おられましたので、今回のワークショップでのアルギン酸塩とジェスモナイトによるオール水性の作業工程について、従来樹脂と比較した扱いやすさ、質感、性質の違いなどを肌で感じて頂けたのではないかと思います。

この機会に様々な作り手の方の声を直接伺えたことは、私たちスタッフにとっても大変貴重な経験となりました。ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました!

2017.08.27