質感のデザイン ワークショップ:京都


2017年4月22日(土)、ものづくりや素材に興味のある方が集うカフェ MTRL KYOTO さんにて、一般向けとしては初めてとなるワークショップを開催いたしました。

当日の流れ
– 13:30 開場・受付
– 14:00-14:30 座学 : ジェスモナイトの基本の使い方説明(30分)
– 14:30-16:00  素材体験 : ジェスモナイトを実際に使って加工体験(1時間半)

今回のワークショップでは「〇〇をつくってみよう」といった、決まった手順で完成物を作ることを目的としませんでした。この素材に実際に触って、粘度や質感・色の出方などご自分の五感で確かめて、自由に試していただき、ご自身の制作で生かせそうか、可能性を探って頂くというコンセプトです。
いろいろと試していただけるように、色々なタイプの型、塗料、混ぜ込みの為の材料を用意しました。

カラフルなテクスチャー用マテリアル

シリコン型 樹脂用

最初にジェスモナイトを使うための基本知識の説明を行いました。混合の比率、硬化時間、添加する材料の種類、など。かなり駆け足な説明でしたが皆さん一生懸命聞いてくださいました。
ジェスモナイトの説明
当日説明に使用したスライドです。

水性樹脂ジェスモナイト|ワークショップ 基本的な使い方

ものづくりワークショップ 関西

ハンドメイドワークショップ 京都

説明が不足しており、最初に多くの方が「???」となっていたのは、リキッドとベースの計量の部分でした。
例えば100㏄の型にジェスモナイトを使いたい場合、リキッドとベースをそれぞれ何グラムづつ用意するかというところです。
ちなみに…
・100g × 1.75 = 175gのジェスモナイトが必要。
・175gを1:2.5の比率になるように計算(3.5で割る)すると、
50gのリキッド、125gのベースが必要となります。

樹脂ワークショップ 京都

最初は皆さんに同じパレットを使ってテストピースを作って頂いたのですが、選ぶ色や入れる素材は人により様々で、面白いもの、キラキラときれいなもの、しっとりとしたもの、思い思いに色やテクスチャー表現を試されていました。

水性樹脂の質感

Favワークショップ

レジン ハンドメイド

アート 樹脂

ワークショップ 樹脂

一度パレットでやった後は、試してみたい型を自由に使って、色や表面のデザインなど皆さん工夫されていました。自作の型を持ってきてくださった方もおられました!

FRP 立体造形 樹脂

注型 樹脂

彫刻 ワークショップ

素材 ワークショップ

作業中、良くいただいた質問から一部抜粋してご紹介します。

Q. ピグメントを混ぜるタイミングはいつがよいですか?
A. 本来は、必要なピグメントを計量し、先にピグメントとリキッドの方に混ぜておき、その後ベースを投入して混ぜます。この方が満遍なく色が混合できます。ただ今回のワークショップのように小さいテストピースの場合は、先にジェスモナイトのリキッドとベースを混ぜておき、色の様子を見ながら数滴だけ添加するほうが作業がしやすいと思います。
 
Q. 気泡が入るのはどうしたらよいですか?
A. 混合時に割り箸などを使うと気泡が入りやすいようです。少量の場合はパレットナイフなどが泡が入りにくくお勧めです。多めの量を使う場合は専用のミキシングブレードが、早く均一に混ざり気泡も入りにくいのでおすすめです。注型後に型を叩いたり振動を与えることで空気が抜けやすくなります。またシリコンモールドの形状から気泡が入りやすい部分は、竹串等で型ををつついて気泡を追い出すことも、透明シリコンのオープン型の場合は効果的です。真空脱泡機をお持ちの方は使用可能です。 

テクスチャー表現

顔料やジェスモナイトを混ぜた色とりどりの作業後スプーン

なお今回のワークショップで失敗が起きやすかったところは、ピグメントの添加量です。
ピグメントを多く入れすぎると、硬化が遅くなったり、脆くなる、最悪の場合硬化しなくなります。
ピグメントの添加量は、作りたい量に対してMAXで2%ですので、テストピースの場合などはごく少量になります。

またコーヒー豆のかすを添加してみたところ、かなり硬化が遅れました。おそらく豆に含まれる油分が原因ではないかと思いますが明確なところは不明です。こういったトライアンドエラーを積み重ねて、できることできないこと、向き不向きを知り、そこから新しい何かのヒントが生まれるとよいなと思います。

ご参加頂いた皆様、本当にありがとうございました。

会場と日時

MTRL KYOTO さんにて
2017/4/22(土) 14:00 – 16:00 

主な対象者

  • 建築物やプロダクトなどに用いる内装・外装材の新たな選択肢を探している、建築家やデザイナー
  • 立体表現や彫刻表現に携わるアーティストや職人
  • 人体や環境に安全な樹脂素材やその加工方法に関心のある方
  • 型を使用した立体物成型において、従来と異なる質感・テクスチャの表現を必要としている方
  • 3DプリンタやCNC等のデジタルファブリケーションの制作物を型として活用したい方
  • その他、未知の素材に触れ可能性を知る体験をしたいあらゆるクリエイター