「RUST」と名付けられた作品群は、ロンドンデザインウィーク2015にて発表されたホームウェアシリーズ。トレイ、飾り鉢、花瓶、ボックスや時計などがラインナップされています。RUSTの特徴はその名が表すとおり錆であり、ジェスモナイトと鉄粉を混合し酸化させることで美しい錆のグラデーションとテクスチャーを作り出しています。一回ごとに手作業でセットされる型、金属粉の錆び加減により、その作品には一つとして同じものが存在しません。一つの作品を組み上げるのに、錆を発生させるための数週間~数ヶ月を除いても、加工におよそ3日間のていねいな手仕事を要するということです。
RUSTシリーズ © PRIN Londonジェスモナイト, 鉄粉.
RUST – トレイ ©PRIN Londonジェスモナイト, 鉄粉. スモール、ミディアム、ラージの3サイズ。
RUST – ボックス © PRIN Londonジェスモナイト, 鉄粉. ミディアム、ラージの2サイズ。
RUST- 鉢ケース(底面) © PRIN Londonジェスモナイト ミディアム、ラージの2サイズ。
RUST – 花瓶 ©PRIN Londonジェスモナイト, 鉄粉.
RUST テクスチャの研究 © PRIN London
RUST from Ariane Prin on Vimeo.
RUSTシリーズの制作工程が見られる動画。丁寧な手仕事によりひとつづつ仕上げられていく器
“強度があって汎用性が高いところがとても気に入っています。 硬化も早くて使いやすいですし、水性なので使用後にツール類を簡単に水洗いできるところも便利です。”
デザイナーのアリアンヌ プリンさん(Ariane Prin)は実は日本で学んだ経験があります。2006年に交換留学生として来日し、長野県富士見市にある日本装飾美術学校(通称DECOBI)で5か月間陶芸とガラス工芸を学んだ彼女は、それを大変貴重な経験だと語っています。日本の言葉も文化も殆ど知らないまま、初めてヨーロッパを遠く離れて一人旅をした当時若干23歳のプリンさん。雪深い山の小さな学校で、唯一の外国人としてコミュニケーションに苦労しながらも、周りの生徒や技術者の助けを借りながら、滞在の最後には30作品の個展をやりとげました。(個展の様子は日本のTVニュースでも放送されています。)それは非常にチャレンジングで、当時の経験は今でも無意識のうちに現在の制作に影響を与えていると彼女は語ります。日本の人々も食べ物も文化もすべてが大好きだという彼女が、日本での学びを通して得たものは「敬意、忍耐、好奇心、強靭さ、謙虚さ、そして寛大さ」。 世界で評価される彼女の作品群には、どことなく日本の侘び寂びに通じる美しさがあるように思いました。
(※インターネットの情報によると、日本装飾美術学校は残念ながらすでに閉校となっているようです。)
お知らせ: 当時DECOBIで共に学んだ友人と今は連絡が途絶えてしまったことを残念に思っているというプリンさん、もし何かご存知の方がおられましたらぜひ当サイトまでお知らせください。
フランス人プロダクトデザイナー アリアンヌ プリンにより2013年よりスタートしたデザインスタジオPRIN LONDON。ロイヤル・カレッジ・オブ・アート2011卒業、ヴァロリス国際陶芸ビエンナーレ2014受賞。ヴィクトリア&アルバート博物館やTOM DIXON(トム・ディクソン)といった有名博物館やデザインスタジオと共同で定期的にワークショップを開催しており、彼女のクリエイティブ手法を広く伝えている。WEBサイトから直接問い合わせにて作品購入が可能で、日本への発送にも対応している。
このアーティスト紹介ページは、アーティスト本人のご承諾を頂いた上で作成・公開しています。掲載している作品写真の著作権は、全て作家PRIN London に帰属します。
This page is made under permission by the artist. All pictures on this page copyright for PRIN London.
ジェスモナイトを使用して制作されたアートワーク
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