清澄白河のGALLERY KLYUCHさんにて開催された 大寺史紗 加藤大介 二人展「veild」。
加藤大介さんの作品の内2点では、漆の下地としてジェスモナイトが使用されています。
Title「無音」 300×350×280mm
会場奥の壁際に座り込むその可愛らしさは、いちばんに目に飛び込んで来るほどの魅力です。
まるみのある布の下から除く足は、一転して詳細な物語を想像してしまいそうです。片方の靴下は、いったいどこに置いてきたのでしょうか。
布の裾や足裏の細かな表現からも、作品の愛おしさが増していくのを感じます。
腰の位置ほども高さの無い作品だからこそ、しゃがんで観察することによって、精神的にもこの片靴下の子に歩み寄ったような気持ちを抱きます。
Title「幕間」270×432×250mm
勢いよく飛び込んだことが伺える手足のしなやかさ。ぐるりと作品を堪能した後に「幕間」というタイトルを見て、なぜだかとても嬉しい納得感を覚えました。
途端に、このテントに鮮やかな色が付いたかのような。
奇妙ながらも、どこか絵本から飛び出したような可愛らしさです。
この中から何が飛び出してくるとしても、きっと力強く軽やかな存在なのだろうと思います。
丁寧に作りこまれた愛らしさの中に魅力的な違和感があり、気になるからもう一度…と時間をかけて見ていたくなる展示。
ジェスモナイトを使用された2点以外も、ぜひこれからも多くの場所で目にしたい作品ばかりです。