洗練された空間デザインやディスプレイデザインなどを数多く手がける デザイン事務所「Matic」のデザイナー外山翔によるアート制作が「Atelier matic(アトリエマティック)」です。
シンプルだけれども目を引くオブジェや家具たち。テラゾー柄かと思えば、よく見ると深海のような波紋や地中のような重層的な重なりが魅力的で、思わず見入ってしまいます。
ジェスモナイトに埋め込まれているのは鉱物や木材などの自然物。切り取られることで美しい断面が姿を現しています。完全にコントロールすることのできない素材と技法で作られているため、同じ表情のものは一つとして存在しない一点ものです。
なかには、こんなにも大胆に珪化木を切り取ったものも。
珪化木とは、樹木が膨大な年月をかけて化石化したもの。まるで、悠久の時の流れを切り取ることで一瞬にして閉じ込めてしまったよう。樹皮の層や樹の抱える空洞が、長い時間を感じさせます。
サイドテーブルの脚も、長方形に成形したものを大胆にくりぬいて作ってしまいます。
くりぬかれた側もまたオブジェへと残ります。佇まいもユニークで、そっと穴をのぞけば、埋め込まれた木片や鉱物の生きた景色が見えるかもしれません。
また、サイドテーブルの天板は蜜蠟と漆で仕上げられており、自然へのこだわりと敬意を感じさせます。