木下華穂さんの個展「装う」は2023年の9月に、27 GALLERY TOKYOにて開催されました。
ビルの一室にあるギャラリーで、木下さんの作品が華やかに展示されていました。
本個展では新作と、以前から発表されていた作品をあわせて見ることができました。
私の見ているその人は、別の人が見れば全く異なった印象の人なのかもしれない。一歩踏み込めばその印象すら大きく変わるかもしれない。生活していれば、何かを装う日は何度も訪れます。それはワクワクとした前向きな場合もあれば、誰にも見つからないようにヒッソリとした気持ちの場合もあります。
木下さんの作品はどれも、鮮やかな背景の上に広がる何とも言えない愛らしい表情の動物たちから、そんな「印象の断片」の自由さを感じます。
動物たちの顔はマグネットで張り付いており、自由な場所へ配置することができます。生活の中にこんなに可愛らしくスマートな作品が入り込んだら、とても素敵なことでしょう。
中には、ブラックライトを当てると目に光が灯る作品も。
少し見慣れないながらも日常に迎え入れたくなる作品の中には、さまざまな楽しい発見があります。
例えば病院の待合室や学校にあったら素敵だろうと思い描きたくなるような、つい自分の時間の中で眺めていたくなるような。木下さんの個展「装う」は、そんな作品に出会える展示でもあります。