DREAM

堀内 マキコMakikoHoriuchi

個展「DREAM」GINZA SIX 蔦屋書店にて2024年に開催

2024年9月に開催された、堀内マキコさんの個展「DREAM」では計18点の作品が展示されました。

厳かに羽を広げて佇むこちらの作品は、個展のメインビジュアルでもある「Dream Child」です。ジェスモナイトAC100・樹脂・石などを使用し、鮮やかな青の着色で仕上げられています。

堀内さんの作品は「異物との遭遇」をテーマに制作されており、造形のユニークさとは裏腹にどこか緊張感もあります。

はじまりは、日本民俗学の「まれびと」に影響を受けたという堀内さん。
人ではない存在が姿を見せる場といえば、どんなものを思い浮かべるでしょうか。それは祭事であり、土地に根付いた信仰であり、ともすれば実体を想像できる存在ではないかもしれません。「まれびと」は別の世界から私たちの生きる世界を訪れ、また元の世界に戻っていく、人間を超えた存在として捉えられています。
また、特撮やアニメーションなどのサブカルチャーからも着想を得ており、多面的に「日常に遭遇する異物」の要素を拾って形成されています。

それらを基軸に、堀内さんの作品はあくまで現実の人間の精神的な部分にフォーカスされています。

生まれたばかりの子どもが見慣れないものに触れ、やがて世界の見え方を受け入れていくように、私たちの日常にはまだまだ「異物との遭遇」が潜んでいることでしょう。それは派手な出会いばかりでなく、初めて歩く街、曲がり角から現れた人の姿、それらに遭遇して揺れる自分の心の内です。
今回「Dream Child」と対面した時の緊張感は、そういった他者との対面を感じたからなのかもしれません。

SNS等が発展していくごとに新たなものに触れる機会は増えますが、一方で自分の現在地をぼんやりと見失うことができてもしまう現代。「異物」に出会ったと感じるとき、相手にとって自分もまた「異物」である可能性があり、その意識を柔らかく持つことは相互理解にも繋がるでしょう。
価値観やコミュニケーションに影響しあうことで私たちの日常は更新されていくのだと、改めて感じさせられます。

▼One or two(同個展にて展示)

▼change and rebirth(同個展にて展示)

誰もが年月を重ねるごとに外界からの情報に圧倒され、その機会は増えていきます。
しかし本展示の別世界の住人との対面は、不思議なほど穏やかです。自分の中にあるものだけを手掛かりに、内包したものと対話したいと思える凪のような気持ちになりました。
それは堀内さんの作品が、姿かたちは違えど、あくまで現実世界の私たちの機微に寄り添ってくれているからなのかもしれません。

また、作品として異物たちの姿を作り上げる過程で、縄文時代の土偶からもインスピレーションを受けているという堀内さん。
神秘的なモチーフを反映するだけではなく、人々が作り上げたもの・概念など、記憶にしみ込んだものが融合して現れているからこそ、この愛らしさが生まれているのだと感じました。

堀内さんの作品ページでは、過去の作品も掲載・販売されています。

▼pear head(2024)

▼A rainy night(2025)

▼A sense of change(2025)

▼little moon(2025)

堀内さんの作品に直接出会う機会があれば、その不思議な遭遇を体験してほしいと思います。

堀内 マキコアーティスト

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