小林椋さんの作品、「岸に置いてある水に瞬く眺めをしげしげと」。
横浜 みなとみらい駅の改札外、駅からのアナウンスや人の声が遠く聞こえながら、その作品が佇んでいました。
こちらは 2024年 横浜トリエンナーレ連携展 BankART Life7「UrbanNesting:再び都市に棲む」での作品で、一部にジェスモナイトが使用されています。

改札外に現れるこの景色は、もの静かでどこかSFの世界のよう。みなとみらい駅構内の雰囲気とも見事にマッチして、不思議な空間を作り出しています。
それぞれが動いたり休んだり、無機質なようで気分屋にも見えます。
つるんと美しく細かく作りこまれた造形物は、近未来的な駅のコンコースとマッチしてさらに魅力的でした。

列車に合図・指示を出す「腕木信号機」から着想を得たという本作品。
「腕木信号機」とは木製の腕を動かし、その形・角度で情報を伝えるというシステムです。18世紀末から19世紀半ばにかけてフランスで使用されていたそうですが、文明の発展により姿を消しました。
時代と共に廃れたその手法が、小林さんの手によって立体作品となり、現代のみなとみらい駅に姿を現したのです。
時間帯にもよりますが、ザワザワと人が行き交うことの無いタイミングにゆっくりと眺めることができました。


小林さんの作品は、その作りこみの丁寧さ・隙の無さにも圧倒されます。
作品を照らすライトや柵の配置も、展示作品を引き立たせるようひとつひとつにこだわりを感じます。

ふと通りかかった人は、この景色にどんな印象を持ったのでしょうか。通勤・通学をする人にとって、この作品を目にすることが日常化するのも羨ましいなと思います。
素敵な作品が溶け込む日常。こんな駅の風景が、未来にはあるのでしょうか。
空間を取り込んで一体となった、とても魅力的な作品でした。

