愛知県立旭丘高等学校さまは、愛知県名古屋市にある普通科と美術科が設置された県内屈指の進学校の県立高校です。 今回は「SSH(スーパーサイエンスハイスクール)美術特別講座」という講義にて、水性樹脂のレクチャーと実演を担当させていただきました。美術科の全学年が参加対象で、約120名と大変多くの生徒さんに聴講いただきました。
まず最初にジェスモナイトの様々な成型サンプルを触ってもらいました。
できる限り多くのサンプルを持っていき、生徒さん全員が色々な成型物に触れられるようにしました。
「これが樹脂??」「石みたい」「カワイイ」「意外と重い」「このサビ本物?」など、みなさん興味津々な手つきでサンプルに触れています。
座学で知識を学ぶ前に、重さや触りごごち、温度、叩いた時の音、匂いなど、五感を使って感じることで、たくさんの気になるポイントが出てきたと思います。
次に座学です。
ジェスモナイトの基本的な情報からはじまり、いろいろなジャンルでの使用事例を制作方法の解説を交えながら紹介させてもらいました。巨大なアート作品や建築パネル材料としての用途、博物館の収蔵品のレプリカ制作用途、繊細で小さなアクセサリー用途など、幅広く使用されています。
色々な用途で使われてはいますが、この材料は基本的に工場で生産されるような大量生産用途ではなく、手仕事で人間が一つ一つ作り上げていくという共通点があります。
続いて、講師がジェスモナイトで作業実演するところを見てもらいます。
間近で直接見てもらうのが一番ですが、今回は全員に囲んで見てもらうのが不可能だったため、作業の手元をスクリーンに映しながら実演しました。
今回は彫刻専攻以外に、絵画専攻の生徒さんもたくさん参加されていたので、FRPのように複雑な工程は実演せず、シンプルな流し込みの作業を見てもらいました。「ビニール袋にジェスモナイトAC100を入れて回し薄く固める」のと「ジェスモナイトAC100に着色して、シリコン型に流してマーブル模様の器を作る」の2つです。
液体と粉を量って、よく混ぜて、色を付けて、型に流し込んだら完成という、シンプルな工程です。
追及しだすと奥の深い材料ですが、入り口はとても簡単で、初めての人でも抵抗なくできる難易度です。ジェスモナイトAC100は20分前後で固まるので、講義が終わる頃には先ほど流したものをシリコン型から取り出して、完成したものをお見せすることができました。
きっと見ていた生徒さんたちも「これなら自分でもできそう!」と感じていただけたと思います。
さて、このような流れで本講義は終わりました。
講義後、たくさんの生徒さんが声をかけに来て下さり「彫刻というと粘土を使って首像をつくるような伝統的なイメージしか持っていなかったけれど、楽しく手軽にできる様子に驚きました」「立体はハードルが高いと思っていたけど、今すぐ何か作ってみたくなりました」というお声や、彫刻科の生徒さんからは「ジェスモナイトという存在は知っていたけれど、ここまで色々な使い方ができるとは知らなかったです」など、とてもうれしい感想をたくさん頂きました!
材料という切り口からアートやデザインに対しての新たな興味がわいてきたり、理解が少しでも深まったなら嬉しい限りです。
ご参加くださった皆さん、ありがとうございました!
2023年5月16日