素材についての一通りの基本説明を経て、ワークショップへ。
今回は回転成型で一輪挿しを作ります。
作業の流れと実演説明をまず行い、各自の作業へと移ります。
用意された型紙から3種類からデザインを一つ選び、まず型をカットして組み立てます。
主に口付近の形状により、回し流しがやりやすいもの、やりしにくいもの、がありました。
その後、作った型にジェスモナイトを流し込んで回転させます。
まずは色を任意に選びます。
カラフルなフレークを入れる学生さんも。
硬化するまで、型の壁面に出来るだけ均等に液が付くように時々クルクルと回します。
上手く流れなかったり、思わぬ部分から垂れてきたり、なかなか面白い工程です!
硬化したらもう一度その工程を繰り返して徐々に厚みをつけていきます。
(今回は強化/厚み付けの繊維は使用せず、ジェスモナイト液だけで行いました)
成型時の学生の皆さんの集中力たるや!
最初はぎこちなかった動きも、ラストの3層目を流す頃には皆さん安定した手つきになっていました。
色の出方、粘度の変化、硬化速度、層を重ねるごとに強度が上がっていく様子など、作業を通して素材の特性を感じられたと思います。
混ぜ込んだカラーフレークはランダムに散らばり、透けて優しい風合いに
一層目の粘度が高くうまく流れなかったものの、逆に面白い模様になったもの
表面にサンドペーパーでキズを入れてハード感を出したもの
同じ型を使用しても、仕上がり色々
作成した一輪挿しは、水を入れて花を生けることが可能です。
素焼きの焼き物のように徐々に水が染み出しますので、実用する際は受け皿を下に敷く、もしくは防水コーティングを施す等の対策をお勧めします。
以下に、今回のワークショップで使用した型紙と使用量などを記載した手順書を掲載します。ご自由にダウンロードしてお使いください。授業や講座、ワークショップなどのコンテンツとしてのご利用もOKです。
・ジェスモナイトAC100
・ピグメント(着色剤) 着色したい場合
・カラーフレーク(着色したジェスモナイトを硬化後に砕いたもの)
・PETシート、PPシート、プラバン等の型材
今回のワークショップに際しまして、東洋美術学校で講義をされながら、保存修復家として活動されている及川崇さまに多大なご協力を頂きました。いつか将来、ジェスモナイト製の作品を修復する日が来るかもしれないとおっしゃられていましたが、そんな日が来るよう、今後も広く皆様に知って頂くための活動を続けて参ります。
・東洋美術学校 保存修復科
・おいかわ美術修復 代表、東洋美術学校教員 及川 崇 様
ご参加いただきました皆様ありがとうございました。
2018/5/18