ティムバートン監督の映画「ダークシャドウ」のための巨大セット。Mattes & Miniaturesの職人によって、コリンウッド マンションという実在する建物を1/3スケールで再現しています。
この巨大セットはまず屋内のスタジオで造形からキャスティング、そしてパーツレベルでの構築までを行い、その後屋外スタジオにて2m程のステージ壇上に組み上げられています。制作の主材料には耐火性MDFとジェスモナイトが使用されており、ジェスモナイトで仕上げられた表面部分は石建築物の自然な質感表現になっています。
このセットでは火災シーンが撮影されるため、強くて耐火性のある素材での作成が必須でした。炎の加減や火災による建物の崩落具合をコントロールするため、内部に重石を仕込んだり、屋根の瓦の一部は燃焼時にすぐに溶け出す素材で固定し、よいタイミングで屋根から滑り落ちるように設計されるなど、迫力ある火災シーンを実現するために綿密に設計されています。VFXスーパーバイザー:Angus Bickerton
こちらは映画「ウルフマン」のための高さ7mの巨大なミニチュアファサード。こちらも実在する有名な建物、観光名所にもなっている「チャッツワースハウス」を1/3スケールで再現しています。
このセットでもやはり火災シーンの撮影があり、火災特撮についての十分な準備と対策がされています。外壁材には耐火性のあるキャスティング素材ジェスモナイトが使用され、窓枠は歪まないように金属溶接されています。建物を覆う蔦はすべて薄い真鍮板からマシンカットの切り出しで作られています。
燃料を加圧噴霧する仕掛けがセット内部にしこまれており、撮影時には盛大な炎を夜空に放ちました。VFXスーパーバイザー:Steve Begg
“炎上する邸宅のセットを作成する際に、耐火性素材であるジェスモナイトを使用しています。火災シーン撮影時に煙がほとんど出ないので仕事がやりやすいです。ジェスモナイト自体に着色でき、また塗装もできること、そして非常に強度があり石のテクスチャーを再現できる点もよいです。”
動画内の1:28からウルフマンのセットの火災シーン、そのあと続けてダークシャドウの火災シーンの映像があります。火災により屋根が崩れ落ちる様子も見ることができます。
マッテス&ミニチュアズ ビジュアルエフェクツLtdは、1991年にLeigh Tookにより設立され、映画、テレビ、コマーシャル、PV、アートインスタレーションのための撮影セットや造形などの造形分野で、業界を牽引してきたリーダー的存在。テリーギリアム監督の美術セット作成なども担当。経験豊富な技術者と職人から構成されており、大工工事、金属加工、彫刻、エンジニアリング、メカニック、電子工作、煙火技術、デザイン、3Dスキャン&プリント、型取りと注型、FRP、テキスタイルとファブリック、ペイント、アートワークと、非常に広範囲な専門知識を持つプロ集団。
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ジェスモナイトを使用して制作されたアートワーク
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